化粧品に使用される成分「ラノリン脂肪酸」は、
まずラノリンをアルカリで加水分解する(けん化)ことで得られるのが、
ラノリンアルコールとなります。
このラノリンアルコールを分離することで得られるのがラノリン脂肪酸です。
ラノリン脂肪酸は白色から淡黄色をしたペースト状をしていて、
ニオイが不快で更にキツイことから単体で使用されることはほとんどなく、
エステル化した次のような物質が使用されます。
◆ラノリン脂肪酸イソプロピル、
説明:ラノリン脂肪酸、イソプロピルアルコールこれらのエステル反応で得られる、
淡黄色をしたペーストのような物質で肌に塗布すると液化します。
・柔軟性がある
・ツヤがある
・伸びがいい
・乳化安定剤として主に使用される
等の特徴があり、
口紅、乳液、クリーム等に配合することで
使用した後に肌に対し滑らかな触感を与えます。
◆ラノリン脂肪酸コレステリル
別名:軟質ラノリン脂肪酸コレステリル
別名:硬質ラノリン脂肪酸コレステリル
説明:ラノリン脂肪酸とコレステロールとのエステルで、
黄褐色から黄色をしたワセリンのような物質です。
ラノリンが持つ粘りと抱水性が失われることから、
コレステロールを付加し失われたエモリエント性や抱水性を補い、
乳液やクリーム等に配合されています。
他にも
◆軟化ラノリン脂肪酸
◆硬化ラノリン脂肪酸
◆ラノリン脂肪酸グリセル
別名:モノラノリン脂肪酸グリセリル
目的:乳化剤、ヘアコンディショニング剤、エモリエント剤
◆ラノリン脂肪酸オクチルドデシル
目的:油剤、閉塞剤、保護剤、ヘアコンディショニング剤
◆ラノリン脂肪酸アミドDEA
別名:ラノリン脂肪酸ジエタノールアミド
目的:親水性増粘剤、起泡剤、合成界面 活性剤
◆ラノリン脂肪酸PEG-4
別名:ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール200
目的:合成界面活性剤、乳化剤、エモリエント剤
◆ラノリン脂肪酸PEG-6
別名:ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール300
目的:乳化剤
◆ラノリン脂肪酸PEG-8
別名:ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール400
目的:合成界面活性剤、乳化剤
◆ラノリン脂肪酸PEG-12
別名:ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール600
目的:乳化剤、合成界面活性剤
◆ラノリン脂肪酸PEG-20
別名:ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール1000
目的:乳化剤、可溶化剤、合成界面活性剤、乳化剤
等もあります。
【総評】
ラノリン脂肪酸はアレルギー報告がある成分なので、気になる人は使用を控えるか顔に使う前にパッチテストをしてから使用するのがいいでしょう。